古都プロブディフ Plovdiv
ブルガリアの古都
September, 1997
1997年9月、ソフィアから週末を利用してブルガリアの古都プロブディフを訪れた。 この年の夏は冷夏だったせいか9月に入ってやや暑くなるという異常な気象だった。ソフィア中央駅から鉄道に乗り 2時間程度でプロブディフ駅に着く。帰りの時刻を確認し駅前で地図を入手してから旧市街地を目指して歩き始めた。
その日は抜けるような青空が広がる素晴らしい天気で散歩には最適だった。駅から真っ直ぐ延びる大きなプラタナスの並木道をゆっくり周りの景色を見ながら歩いた。ブティックやレストラン、ゲストハウスなどの看板が目に付き、時とし て素敵なお店があると立ち止まり、中を覗いたりしながらソフィアとはやや異なった印象を受けながら旧市街へ足を進め た。歩きながら何がソフィアと違うのかと考えてみたら、物々しいバーグラバーがないからだという結論に達した。
歩き始めてからもう一つ気になったのが、視線だ。何かいつも誰かに見られているような気がしてならない。こちらは こちらで見るもの珍しく、うろうろしているのだから余計に目立ったのだろう。この国でアジア系といえば出稼ぎのベトナム人が一般的だった。シャッターを切りながら歩いているアジア系はプロブディフの人にとって物珍しかったに 違いない。
爽やかな日差しと心地よいそよ風、プロブディフ旧市街を散策
駅から地図を見ながら丘の上の旧市街を目指して歩き始めた。並木道の大通りから左に折れると、ショッピングストリート(歩行者専用)に差し掛かった。日の光、建物と空の青さなど爽やかなプロブディフの町並みが見えてきた。
プロブディフ
スレドナ・ゴラ山脈とロドビ山脈に挟まれたトラキア平原の中心に位置するブルガリア南部の古都であり、ソフィアに次ぐブルガリア第二の都市である。この街は6千年の歴史があり、世界最古の町のひとつ、ローマ時代の円形劇場や旧市街の家並みが残る。
旧市街
マリッツァ川南側、丘の上が旧市街、この辺りには美しい屋敷が多く、博物館やギャラリーとして公開されている。ゲオルギアディ・ハウス(博物館)、バラバノフ・ハウス(現代美術ギャラリー)、ヒンディアン・ハウス(アルメニア商人ヒンディアンが収集した民具のコレクション)、ネドコビッチ・ハウス(19世紀裕福層の生活)、ボヤジエフ・ハウス(現代絵画のコレクション)などがある。また、旧市街の門、 ヒサール・カピヤは美しい石造りのアーチである。
ローマ時代の円形劇場
旧市街の断崖にある遺跡。ローマの支配を受けていた2世紀頃に作られた円形劇場の跡で、3,000人を収容できるという。夏にはオペラなどが演じられる。その上にカフェがあり、ここで眼下に見下ろすプロブディフの街並みを眺めながらのエスプレッソは格別なり。